手荒れは感染リスクを高める
手荒れの重症化予防のためのハンドケアを行いましょう
監修:
山形大学医学部附属病院
検査部・感染制御部
部長・病院教授
森兼啓太先生
1日に何度も手洗いをしなければならない職業に従事する人の多くが、手荒れに悩まされています。例えば医師や看護師などの医療従事者では、症状の軽い人も含めれば、手荒れしている人の割合はおそらく全体の20~30%にのぼるのではないでしょうか。
手を洗うと手指から皮脂が取り除かれ、肌のうるおいが失われていきます。その結果、手荒れが引き起こされます。
手が荒れると、皮膚のかさつき、傷み、かゆみなどが発生して不快ですし、仕事のクオリティにも影響しかねません。
手荒れはさらに深刻な事態をもたらします。重症化した手荒れは、傷が深くなっているために、手洗いをしても手荒れの傷に様々な病原体が残りやすくなることから、自分自身が感染症にかかったり、手指を介して他の人を感染させてしまったりするリスクも高まります。
こうしたリスクに対して有効なのがハンドケアです。毎日の手洗いにハンドケアを取り入れることで、手荒れの重症化を上手に予防することができます。
人類は、手が自由に使えるようになったおかげで進化を遂げてきました。現代人にとって、手は様々な場面で活躍してくれる大切な道具です。この素晴らしい道具を守るため、日頃から正しいハンドケアを実践して、手荒れのない健康な手肌を目指しましょう。