「手指(しゅし)衛生」とは、言葉通り手と指を清潔に保つことです。そして、手と指を清潔に保つ方法として、主に『手洗い』と『手指消毒』があります。
そこで今回は、『手洗い』と『手指消毒』の方法と、どのような場面で使い分けをするのかを具体的にご紹介していきます。日常的なものから専門性の高いものまでありますので、ご自身に必要なものを選び、正しい理解を深めていきましょう。
手洗い
石けん(ハンドソープ)を使用し、水で泡立てしっかりと洗い、流すことによって、手に一時的に付いた菌や汚れを取り除きます。
外出の前後、食事前、トイレの後、掃除をした後、携帯電話や物を触った後など、日常生活で行う手洗いです。
手指消毒
アルコールジェル・消毒液(※)を使って手指の消毒を行うことで、爪や皮膚の表面などに付く「通過菌」と呼ばれる菌のほとんどを取り除きます。
主に、医療に関わる方が医療行為の前後で行う手指衛生で、患者に接する前後や口の中の吸引の無菌操作の前後、便や尿が付いたリネンを取り扱った後などに、院内感染の予防として行われます。なお、手に血液や体液などの汚れが付着した場合は、それを洗い流すことが必要になりますので、手洗いを実施します。
(※)最近は泡タイプの手指消毒剤もあります。
手洗い・手指消毒を実際にやってみましょう!
石けん(ハンドソープ)と流水による手洗いは、目に見える汚れがあるものや、ノロウイルスなどのアルコールに抵抗性がある微生物が付いている場合に有効です。
目に見える汚れがない場合は、アルコールジェル・消毒液を使った手指消毒のみでも有効な場合があります。手洗いが手荒れ対策につながる方も多いので、使い分けを検討しましょう。