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「皮がむける」「ブツブツができた」など、子供の唇荒れには早めの対処を

「皮がむける」「ブツブツができた」など、子供の唇荒れには早めの対処を

デリケートな子供の唇は、ケアを怠るとすぐに唇荒れの症状が現れます。唇や口角に亀裂が入る、皮がむける、時にはブツブツができる、腫れる、といった症状です。
このような症状の唇を見ると「乾燥のせいだ」と考えがちですが、実は、唇荒れの原因は乾燥だけとは言い切れません。日常の癖やウイルスなどによって引き起こされることもあるからです。
そこで、この記事では子供の唇荒れで多い症状と、それぞれの症状の主な原因と対処法について紹介します。


この記事は約7分で読み終わります。

子供にもよく見られる唇荒れの症状

さまざまな要因によって起こる唇荒れの主な症状は、以下のとおりです。

・唇の皮がむける
・唇がひび割れる
・口角がただれる
・かゆみが生じる
・唇が腫れる
・水泡ができる

唇荒れというと、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが乾燥によるものでしょう。

もともと唇は、体の中でもデリケートな部位のひとつです。頬や額と違って皮脂腺がないため、表面を守ってくれる皮脂膜を作れません。にもかかわらず、毎日の食事や会話、摩擦など、多くの刺激にさらされています。そのため、乾燥のせいで荒れると考えるのは自然なことでしょう。

とはいえ、必ずしも唇荒れの原因が乾燥にあるとは限りません。体調の変化による影響を受けやすい部位でもあることから、別の原因も考えられるのです。

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子供が唇荒れしてしまう原因と対処法

唇のトラブルは乾燥により口角に亀裂が入る口角炎や、唇全体に炎症などの異常が現れる口唇炎が代表的です。

乾燥以外の原因は、日常的な癖によることもあれば、なんらかの体調変化や異常によるケースもあります。

よって、唇が荒れているからといって、乾燥による口角炎や口唇炎とは限りません。まずは、唇がどのように荒れているのかとあわせて、子供の日ごろの仕草を観察しましょう。子供の唇荒れの主な原因として挙げられる3つの症状と対処法は、次のとおりです。

唇のなめ過ぎ

第一に考えられる原因は、唇のなめ過ぎです。唇を頻繁になめることで表面が乾燥し、唇の皮がむけやすくなります。

唇をなめる行為は水分を与えているように思えますが、実際は、かえって乾燥を招いてしまう行為です。これは、なめた唾液の水分が蒸発するときに、もともとの唇の水分も一緒に蒸発してしまうためです。また、唾液そのものが刺激となることもあります。

乾燥した唇に現れる主な症状は、以下のとおりです。

・カサつく
・かゆみが生じる
・痛みが出る
・出血する

カサカサと乾燥した唇は、皮がむけるだけでなく、柔軟性を失っているためひび割れしやすい状態です。唇の動きによっては、亀裂が入ったり血がにじんだりします。体全体から見れば小さな部位ですが、わずかな亀裂でも痛みを感じるのでやっかいです。

対処法

乾燥した唇に必要なことは、油分を補って保護することです。以下のアイテムを活用して、やさしく保湿しましょう。

・低刺激なリップクリーム
・ワセリン
・唇用の処方薬

最も手軽で便利なのは、低刺激なリップクリームでしょう。手に入りやすく、手軽に使用できるのでおすすめです。メントールなどの清涼成分が入っていないものを選ぶと良いでしょう。

また、ワセリンで唇を保護するのも良いでしょう。皮膚だけではなく唇にも使用できるため、唇をなめる癖のある子供にも使用できます。香料や着色料が無添加のものを選ぶと良いでしょう。唇に塗りやすいチューブタイプもあります。

乾燥がひどく出血している場合には、皮膚科を受診する方法もあります。荒れ防止のアドバイスももらえて、適切な薬を処方してもらえます。

アレルギー反応

アレルギー反応により、唇が荒れてしまうことがあります。主に食物アレルギーが原因で、食事中、または、食後数十分後に異常が現れることがあります。食後30分以内に症状が現れることが大半ですが、2時間後までは症状が現れる可能性に注意しましょう。

食物アレルギーの症状は、主に以下のとおりです。

・唇が腫れる
・顔が腫れる
・皮膚が赤くなる
・湿疹ができる
・目・喉にかゆみがある
・くしゃみ・せきが出る
・鼻水が出る など

すべての症状が必ず現れるわけではなく、人によって症状が異なります。腹痛や吐き気、全身に症状が現れる場合もあります。

対処法

食物アレルギーの疑いがある場合は、命の危険に関わることもあります。一見すると顔が赤くなっている程度に見えても、気管が腫れて塞がっていたり、脈が速くなっていたりする可能性も考えられます。すぐに医療機関を受診してください。

加熱をすれば食べられる場合もありますが、自己判断は禁物です。また、どの食べ物がアレルギーを引き起こしているかは、医療機関による問診と検査で判明します。医師の判断を仰いだうえで、アレルギーの原因となる食べ物を避けるようにしましょう。

子供の食物アレルギーは、成長とともに食べられるようになることもありますが、医師の指示に従うことが重要です。

ヘルペス

ヘルペスウイルスに感染したことで起こる唇荒れです。感染時に症状が現れることは少なく、風邪や疲労などによって免疫力が低下したときに発症するのが一般的です。

発症したときの主な症状は、以下のとおりです。

・唇の周りや口の中に水疱ができる
・チクチクとした痛みが続く
・鼻や目の周りに水疱ができる

乳幼児や風邪・疲労などによって免疫力が低下している方は、発熱や口中の水疱やただれ・出血などが生じるヘルペス性歯肉口内炎を発症することもあります。

対処法

ヘルペスの可能性があるときは、できる限り早く皮膚科を受診しましょう。早めに治療を受けて重症化を避けることが重要です。症状が現れる前、人によっては唇周辺にかゆみや違和感を覚えることがあります。子供が異常を訴えたときは、注意して観察してください。

ヘルペスウイルスの注意点は、人にうつることです。一度感染すると症状が治まった後も体調によって再発する場合が多いため、感染しないように注意しなければなりません。患部に触れた手は、すぐによく洗いましょう。食器やタオル類の共用は、感染を広げる原因となるので避けましょう。

ウイルスを体内から完全になくすことは困難なため、一般的な治療方法は専門医から処方される抗ウイルス薬(外用薬・内服薬)でウイルスの増殖を抑えるものです。家庭内では、休養を取り、バランスの良い食事で免疫力を回復させます。

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子供が唇荒れしないための対処法

子供が唇荒れを起こさないように、日頃からできる対処法を試してみましょう。

まず、リップクリームで唇を保湿することが大切です。保湿ケアは日中こまめに行うほか、お風呂上がりにも必要です。

また、唇をなめる癖のある子供には、なめたり触ったりさせないようにします。唇の皮がむけかかっているときに、歯でかんだり手指でむしったりする行為もやめさせましょう。とはいえ、子供に「やめさせる」ことは難しいですよね。そこでおすすめなのが、ワセリンで唇を保護することです。あらかじめワセリンで保護しておけば、直接唇に唾液が付かないのでなめても乾燥しにくく、めくれた皮も保護できるでしょう。

さらに、唇は顔の皮膚と同じで、紫外線ダメージを一年中受けています。外出時は紫外線を浴びないように、顔や体と同様にUV対策を意識してください。

唇荒れの症状が現れたときは、症状に合わせたケア用品を選ぶことも大切なポイントです。アレルギーやヘルペスなど医師の診断が必要な可能性も考えて、異常が現れたときは医療機関を受診してください。医師の診断に基づいた治療を行うことで、唇荒れを早急に改善させることにつながります。

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まとめ

子供は無意識のうちに唇をなめたり、めくれた唇の皮をむいたりするため、唇荒れを起こしやすいです。唇をなめることが日常的な癖とならないようにし、指で触れる行為もやめさせる必要があります。

日常のケアとしては、リップクリームなどによる保湿や紫外線対策が唇の健康を守るポイントです。顔や体のスキンケアと一緒に、唇の保湿ケアや紫外線対策を行って、しっとり唇をキープしましょう。唇のカサカサが気になって、なめたり触ったりすることが減るかもしれません。

また、アレルギーやウイルスによって唇荒れが起こっている可能性も考えられます。かゆみや痛みを訴えたり水疱や赤みが出たり、唇に明らかな異常が現れた場合は、早めに皮膚科を受診してください。

 

 

【この記事の監修医師】

鼻岡 佳子 先生

鼻岡けいこ皮フ科クリニック院長。医学博士。開院まで20年弱、県内外の大学病院や総合病院の医師としてアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、皮膚癌、小児皮膚科治療、美容皮膚科治療など幅広い年代の皮膚疾患・皮膚科治療に携わる。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医。日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医。日本抗加齢医学会専門医。

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