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指のささくれ(さかむけ)が痛いなら、指先の保湿が改善のカギ

指のささくれ(さかむけ)が痛いなら、指先の保湿が改善のカギ

指のささくれ(さかむけ)が繰り返しできると、「何が原因だろう…」と考えてしまいますよね。ささくれがあるとネイルも映えませんし、人前に指を出すのを恥ずかしく感じてしまうかもしれません。また、悪化すると痛みを感じることもあるでしょう。
そこで、この記事では指のささくれの原因と対処法について解説します。予防法もお伝えするので、ささくれでお悩みの方は参考にしてください。


この記事は約8分で読み終わります。

ささくれ(さかむけ)とは?

 

「ささくれ」とは、爪周りの皮膚が部分的にむけて、はがれてしまっている状態のことです。「さかむけ」とも呼ばれます。ささくれができてすぐは、傷みなどを感じることはほとんどありません。

しかし、ささくれを放置してしまうと、むけた皮膚が衣服などに引っかかり、傷口が広がってしまうこともあります。その場合は、強い痛みを感じることがあります。

ささくれができる原因は、指先、特に爪周りの皮膚の水分・皮脂が不足して乾燥することです。皮膚が乾燥すると、硬くなって柔軟性がなくなるため、細かなひび割れが起きやすくなります。「ささくれは親不孝だからできる」という言い伝えがありますが、もちろん迷信です。

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【原因】爪周りの皮膚が乾燥するのはなぜ?

ここまで解説したとおり、ささくれを引き起こす原因となるのは、爪周りの皮膚の乾燥です。では、なぜ爪周りの皮膚は乾燥するのでしょうか。その原因を確認していきましょう。

原因1.季節による空気の乾燥

寒い季節は空気が乾燥するので、爪周りの皮膚も乾燥しやすくなります。秋から冬にかけてハンドクリームが手放せなくなるのは、空気の乾燥によって手肌が乾燥するからです。

寒い季節にささくれができやすいのは、空気の乾燥が影響していると考えられます。

原因2.洗剤、水仕事などによる刺激

食器用洗剤やシャンプーなどの刺激が、爪周りの皮膚の乾燥を引き起こす要因となることもあります。

特に、家庭や仕事で食器や洗濯物を手洗いするなど水仕事をする機会が多い方は、手肌の乾燥に悩まされていることでしょう。

原因3.手洗いや消毒

最近の生活環境の変化も、ささくれの原因のひとつです。感染症予防のために手洗いや消毒が習慣化したことが、手肌の乾燥を招いています。

手を洗わなくても簡単に除菌ができるアルコール消毒は便利なアイテムですが、手荒れを引き起こす要因にもなります。アルコールで水分や皮脂が奪われて、手はもちろん、爪周りの皮膚も乾燥するからです。石けんやハンドソープを使って何度も手を洗うのも同様です。

また、手洗い後にも爪周りの皮膚の乾燥の原因があります。ハンドドライヤーが感染防止のために使用中止になっているからと、手を濡れたままにしていませんか。

ハンカチやタオルなどできちんと拭かないと、水分が蒸発するときに皮膚の水分も奪われるため、爪周りの皮膚の乾燥を引き起こす要因となるのです。

原因4.指の血行不良

ささくれをはじめとする手荒れの原因が、手指の血行不良であることも考えられます。血行が悪くなると、指先の細胞にまで栄養が十分に行き渡らなくなり、皮膚のバリア機能が低下して手荒れにつながります。

血行不良の原因となるのが寒さですが、偏った食生活などの生活習慣も関係しているので注意しましょう。

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【対策1】ささくれ(さかむけ)ができたらカットしよう

まず、ささくれを無理にむしってはいけません。傷が深くなったり、出血したりするからです。

しかし、ささくれを放置しておくと、どんどん皮むけが悪化して痛みが出てくる可能性があります。ささくれができたらそのままにするのではなく、早めにセルフケアをすることが大事です。

まず、清潔な小さいハサミや爪切りなどを使ってささくれを根元からカットしましょう。そうすることで、ささくれが衣服などに引っかかって傷が深くなることを防げます。ただし、誤って指を切らないように、注意してください。

その後、傷がある場合は、傷薬を塗ってからばんそうこうで傷口を保護するとよいでしょう。

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【対策2】ささくれ(さかむけ)の症状を改善する保湿のコツ

手指や爪周りの肌の乾燥を防ぐため、ハンドクリームを使ってしっかりと保湿しましょう。症状を改善するためには、以下のような方法で保湿することをおすすめします。

ビタミンE配合のハンドクリームを使って保湿する

ドラッグストアに行くとさまざまな種類のハンドクリームがありますが、ささくれを改善するためにはビタミンE配合のものがおすすめです。保湿効果が高く、ささくれの改善だけでなく血行を促進する効果も期待できます。

ハンドクリームを塗る方向に注意する

ハンドクリームを塗るときは、指の根元から指先に向かってクリームを塗るようにしましょう。逆方向に塗ると、ささくれがめくれてさらに悪化することがあるので注意が必要です。

ハンドマッサージをする

さらに、ハンドマッサージには血行を促進する効果が期待できます。ハンドクリームを塗ったら、手指全体にクリームをなじませ、指1本1本をていねいにマッサージしましょう。

特に、夜寝る前にハンドマッサージを行うと効果的です。やさしくマッサージをした後に寝るのを習慣にしてみましょう。

ハンドマッサージの方法や使用するクリーム量の目安はこちらから

綿手袋で手をカバーする

ハンドクリームを塗った後や寝るときに綿手袋をすると、翌朝スベスベとした指先を実感できるでしょう。日中の着用が難しい場合は、寝るときだけでも着用するようにしてみてください。

こまめにハンドクリームを使う

ささくれを悪化させないためにおすすめしたいのは、こまめに手肌を保湿することです。手洗いや水仕事の後にいつでも使えるように、ハンドクリームをキッチンや洗面所などの水回りに置いておきましょう。

また、外出するときにはポーチに入れて持ち歩くとよいでしょう。そうすれば、外出先で手を洗ったり、手肌の乾燥が気になったりしたときに、ハンドクリームを使っていつでもケアができます。

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【予防】ささくれができないようにするには?

「せっかく治ったのに、またできてしまった…」、こんな風に何度もささくれができてしまうこともありますよね。

繰り返さないためには予防することが大切です。これから紹介する方法で、ささくれ予防をして、きれいな指先をキープしましょう。

水仕事のときは、ゴム手袋を着用する

水仕事のときは、皮脂を奪う水・お湯・洗剤に直接触れないようにするために、ゴム手袋を着用しましょう。洗剤などが皮膚への刺激となることを防ぐだけでなく、手肌の水分や皮脂が洗い流されて指先が乾燥してしまうことを予防できます。

ただし、人によっては、ゴム手袋の着用で手がかゆくなるなどの刺激を感じることもあるでしょう。その場合は、ゴム手袋の下に綿手袋を着用して、皮膚に直接ゴム手袋が触れないようにするとよいでしょう。

手洗いには、ぬるめの湯と低刺激な石けんを使う

手洗いも手肌の乾燥を引き起こす要因になると説明しました。そのため、なるべく乾燥を防ぐ洗い方をしましょう。

冬場はお湯で手を洗うことが多くなりますが、熱いお湯で洗うと皮脂が奪われるので33~35℃くらいのぬるめのお湯で洗いましょう。

また、ささくれができやすい方は、手洗いには低刺激タイプの石けんやハンドソープを使いましょう。洗浄力の強すぎるタイプは、手肌に必要な水分や皮脂まで洗い流してしまうだけでなく、洗浄剤の刺激で皮膚が炎症を起こすこともあるからです。

手が濡れたら、しっかり・やさしく水分を拭き取る

濡れたままの手から水分が蒸発すると、皮膚の水分も一緒に蒸発してしまうため、手肌が乾燥します。簡単に拭いて少し濡れたままにしたり、手を振って自然乾燥させたりしてはいけません。

手洗いや水仕事で手が水に濡れたら、清潔なハンカチやタオルでやさしく押さえるように水分をしっかり拭き取ってください。そうすることで、必要な水分が手肌から蒸発するのを防ぐことができます。

入浴のときは、熱いお湯は使わない

「お風呂のお湯の温度は、高めが気持ち良い」「熱いお風呂が好き」という方もいるでしょう。

しかし、指のささくれ予防のためには、手洗いのときだけでなく入浴でも熱いお湯を使わないようにしましょう。40℃までのお湯で入浴することをおすすめします。

外出時は手袋をする

冬場の乾燥した空気や風は皮膚を乾燥させます。手袋をせずに外出すると、外気や風が直接当たるため、手肌が乾燥しやすくなるのです。外出時は手袋を着用するのを習慣にして、手を保護しましょう。

 

野村有子医師からのワン・ポイントアドバイス

指のささくれは、爪周りの皮膚の水分や皮脂が不足し、乾燥することによって起こります。

秋冬の時季の空気の乾燥や水仕事だけでなく、最近は頻繁な手洗いやアルコール消毒による手の乾燥に悩まされる人が増えています。

指のささくれができたら、この記事で紹介した爪周りの皮膚が乾燥する原因を取り除くことが大切です。また、しっかり保湿して、手肌をいたわってあげましょう。

できてしまったささくれは、清潔な小さいハサミや爪切りでカットすることもお忘れなく。せっかく治っても再発することがあるので、こまめな保湿で予防して、キレイな指先を目指しましょう。

野村皮膚科医院 野村 有子 院長

医学博士。慶應義塾大学医学部卒。横浜市に野村皮膚科医院を開業。
わかりやすい丁寧な指導が評判の関東屈指の人気皮膚科医。
最新の肌診断機器の導入や、アトピー性皮膚炎患者専用モデルルーム、アレルギー対応カフェも併設されている。アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹を中心に、男女を問わず幅広い年代の皮膚疾患の診断、治療を行っている。

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