【肌タイプ】混合肌・それ以外の肌タイプを知ろう
肌に合ったスキンケアをするには、あなたの肌タイプを知ることが大切です。
肌タイプは、肌の水分と皮脂のバランスによって大きく「普通肌」「脂性肌」「乾燥肌」「混合肌」の4つに分けられます。それぞれの特徴をみていきましょう。
普通肌
「普通肌」とは水分と皮脂のバランスがよい状態の肌です。ツヤがあり、キメが整っていて滑らかです。また、肌に触ると柔らかく、毛穴は目立ちません。ファンデーションののりが良く、ヨレやメイク崩れを起こしにくいのも特徴です。
脂性肌
「脂性肌」とは水分と皮脂、ともに多い状態の肌です。うるおいとハリはあるものの、ベタつきやキメの荒さ、毛穴が目立ちます。皮脂でファンデーションのヨレや崩れが起こりやすい状態です。
乾燥肌
「乾燥肌」とは水分と皮脂、ともに少ない状態の肌です。キメは細かいものの、肌がカサつきやすくて荒れやすく、シワができやすいという特徴があります。肌にうるおいが足りないので、ファンデーションのノリはあまり良くありません。
混合肌
「混合肌」とは皮脂が多く水分が少ない状態の肌です。額から鼻先にかけてのTゾーンは毛穴が目立ちベタつくものの、頬からあごにかけてのUゾーンはカサつくという、脂っぽさと乾燥が混在した状態で、肌のキメは乱れがちです。
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【肌タイプ】混合肌の見分け方
まずは、思い込みを捨てて、あなたの肌タイプをしっかりと見極めることが大切です。
あなたの肌が「混合肌」なのかどうかを見分けるには、洗顔後にスキンケアをしないまま、しばらく時間をおいて、肌の様子を観察してください。
その結果、頬や目元などが部分的に乾燥して肌がつっぱる感じがあるものの、Tゾーンは皮脂が浮くようなら「混合肌」と考えられます。Tゾーンに皮脂が浮かず乾燥だけが気になるようであれば「乾燥肌」、目元などの部分的な乾燥がなくベタつきだけが気になるという場合は「脂性肌」と考えられるでしょう。
肌タイプによってスキンケアのポイントが異なります。特に、「混合肌」は脂っぽさと乾燥が混在しているため、「脂性肌」や「乾燥肌」と誤解してしまうことがあります。
肌タイプをきちんと知っておかないと、混合肌向きではない間違ったケアを続けてしまうことになるでしょう。だからこそ、きちんと肌タイプを見極めることが大切なのです。
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【混合肌のスキンケア方法】皮脂を抑え、うるおった肌になるには
混合肌のベタついている部分は、肌の水分不足が原因で皮脂の分泌が活発になっているかもしれません。肌のうるおいをまもって洗い、うるおいを補うスキンケアが大切です。
ここからは、混合肌向けの適切なスキンケア方法を紹介します。
クレンジングの選び方・方法
クレンジング料は、汚れが落ちやすいものを選ぶことが大切です。とはいえ、ベタついたTゾーンの皮脂を落とそうとして、クレンジング力が高過ぎるものを選ぶのはおすすめできません。Uゾーンの乾燥がひどくなる可能性があるからです。
クレンジングの目的はメイクを落とすことです。メイクの濃さに合わせて、肌のうるおいを守るマイルドなタイプを選びましょう。
次に、正しいクレンジング方法を解説します。落ちにくい口紅やウォータープルーフタイプのポイントメイクは、専用のポイントメイクリムーバーなどで先に落としてから行います。
1. 清潔な手にパッケージに記載されている分量のクレンジング料を取り、両手のひらになじませる
2. 手のひらで顔を包み込むようにしてクレンジング料をなじませる
3. 両頬、額の順にクルクルと指でらせんを描きながらなじませる
4. 目の周りは特にやさしくなじませる
5. 鼻の下、あごもクレンジングをなじませる
6. ぬるま湯を使ってていねいに、やさしくこすらず洗い流す
クレンジングのポイントは、ゴシゴシとこすらないことです。指には力を入れず、肌全体にクレンジング剤をなじませましょう。
すすぐお湯が熱いと肌のうるおいが奪われて乾燥してしまうので、ぬるま湯で流すのがコツです。
洗顔料の選び方・方法
Tゾーンのベタつきが気になるかもしれませんが、洗顔料も皮脂を取り除く力が強いタイプはNGです。肌のうるおいを守るマイルドなタイプを選びましょう。
次に、正しい洗顔方法を解説します。
1. 手をきれいに洗う(油分などがあると泡立ちにくい)
2. 顔をぬるま湯で洗い流す
3. 洗顔料を手のひらに取り、ぬるま湯を加えてしっかりと泡立てる
4. 泡を肌にのせて、泡を転がすようにして顔全体を洗う
5. 皮脂や毛穴が気になる小鼻や頬はていねいに洗う
6. ぬるま湯を使ってていねいに、こすらず洗い流す
正しい洗顔のポイントは、洗顔料をしっかりと泡立てることです。手のひらを逆さにしても泡が落ちないくらいまで、しっかりと泡立てましょう。泡立てネットを使うと簡単に泡立てられます。そして、泡をクッションにして手のひらや指で顔をこすらないようにしながら、やさしく洗ってください。
化粧水・ローションの選び方・つけ方
洗顔後は、すぐに化粧水・ローションをつけて保湿しましょう。混合肌は肌が乾燥しているので、しっかりとうるおいを与えることが大切です。
化粧水には多くの種類がありますが、混合肌もしくは、乾燥肌向けのものを選んでください。
次に、正しい化粧水のつけ方を解説します。
1. 適量の化粧水を手のひらに取る
2. 両手の中指と薬指を使って、顔の内側から外側に向かってなじませる(両頬・額・そのほかの細かい部分)
3.つけ終わったら、手のひら全体で顔を覆いながら、やさしくハンドプレスする
化粧水をつけるときは、肌を叩いたりこすったりせず、やさしくなじませることが大切です。特に乾燥が気になる部分は、化粧水を重ね塗りしましょう。
乳液・クリームのつけ方
化粧水をつけた後は、油分を含む乳液やクリームをつけて肌の水分の蒸発を防ぎましょう。混合肌もしくは、乾燥肌向けのものを選ぶことをおすすめします。
乳液やクリームは、ベタつきが気になるTゾーンにも薄く塗ってください。乾燥しやすい目元や口元などの気になる部分は、重ね塗りすると良いでしょう。
次に、正しい乳液・クリームのつけ方を解説します。
1. 化粧水を肌にしっかりと浸透させたあと、適量を手に取る
2. 塗り方は基本的に化粧水と同じで、内から外へやさしくつける
3. 乾燥が気になる部分は重ね塗りをする
4. 顔全体をやさしくハンドプレスする
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【生活習慣】「混合肌」を避けるには?
普段の生活習慣が、「混合肌」の状態を招いているかもしれません。ここからは、肌を良い状態にするために役立つ生活習慣を紹介するので、できることから始めてみましょう。
脂っこい食事を控える
Uゾーンのベタつきが気になる「混合肌」の人は、肌の皮脂分泌を活発にする脂っこい食事は控えましょう。
食事の内容は、肌の状態に影響を与えます。タンパク質やビタミンなどをしっかりと摂って、栄養バランスの良い食事を心がけることが、皮脂の過剰な分泌を抑えて肌トラブルを防ぐのに役立ちます。
しっかり睡眠をとる
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、細胞の修復や再生に関係するといわれています。睡眠不足は成長ホルモンの分泌に影響を与え、肌荒れのもとになるため、睡眠をしっかりとることを心がけましょう。
湿度を上げて肌を乾燥させない
空気が乾燥すると、肌も乾燥します。肌の乾燥が気になるときは、加湿器などを利用して部屋の湿度を60%に保ちましょう。
特にエアコンが効いた室内は、季節を問わず肌が乾燥するので注意が必要です。エアコンと加湿器を併用することをおすすめします。ただし、加湿し過ぎはカビなどの繁殖の要因となるため、湿度管理には気を配りましょう。
紫外線を避ける
紫外線は肌にダメージを与えるので、肌のためには避けることが大切です。外出時には日焼け止めや帽子、サングラスなどを利用して紫外線対策をしっかりと行いましょう。季節を問わず行うことが大切です。
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まとめ
「混合肌」とは、皮脂が多く水分が少ない状態の肌です。Tゾーンの皮脂が多いため、「脂性肌」と勘違いされることもありますが、脂性肌向けのスキンケアを行っていると、なかなか肌の状態は良くならないでしょう。
「混合肌」の方は肌の水分量が少ないため、肌にしっかりうるおいを与えるケアをすることが大切です。この記事で紹介したスキンケア方法、生活習慣を心がけてみてください。そうすれば、少しずつ肌の変化を実感できるでしょう。
鼻岡 佳子 先生
鼻岡けいこ皮フ科クリニック院長。医学博士。開院まで20年弱、県内外の大学病院や総合病院の医師としてアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、皮膚癌、小児皮膚科治療、美容皮膚科治療など幅広い年代の皮膚疾患・皮膚科治療に携わる。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医。日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医。日本抗加齢医学会専門医。