赤ちゃんが「よだれかぶれ」になる原因
赤ちゃんの皮膚は、バリア機能が不完全でとてもデリケートです。そのため、よだれなどによる少しの刺激が肌トラブルを引き起こす要因となります。
ただ、よだれかぶれは珍しい症状ではなく、赤ちゃんによく起きる肌トラブルのひとつです。ここでは、まず赤ちゃんのよだれかぶれの原因について解説します。
食事中のよだれや食べ残し
よだれかぶれとは、赤ちゃんの口周りに起こる肌トラブルのことです。よだれかぶれになると、口周りが炎症を起こして赤くただれます。それだけでなく、赤い湿疹ができたり、肌が乾燥してカサカサしたりなどといった症状が現れることもあります。
よだれかぶれの原因は、よだれや食べかすなどによる皮膚への刺激です。赤ちゃんの肌に付いたよだれや汚れを放置していると、その部分にかぶれが起きやすくなります。
また、口周りに付いたよだれや汚れをタオルなどで拭き取るときの摩擦も、よだれかぶれの原因となることがあります。拭き取る際に摩擦が起き、肌が刺激され、かぶれが引き起こされるのです。
赤ちゃんのよだれや口周りの汚れを放置せず、都度拭き取っているのによだれかぶれが起きていると悩んでいるお父さんやお母さんは、拭き取る際に肌をこすっていないか確認してみましょう。
「じんましん」の可能性も
赤ちゃんの顔にできたブツブツの原因が、よだれかぶれ以外の場合もあります。一日のうちにブツブツが現われたり、おさまったりするようなら、「じんましん」によるものかもしれません。
じんましんの症状はさまざまで、小さな発疹が現れることもあれば、10cm以上の地図状のふくらみができることもあります。よだれかぶれと症状が似ているため、よだれが原因だと思っていたら、実はじんましんによる発疹だったということもあります。
アレルギーのある赤ちゃんなら、アレルギー性のじんましんの可能性も否定できません。赤ちゃんが口にする食べ物に、原因となる食品が入っていないか確認してみましょう。
とはいえ、じんましんの原因ははっきりとしないことも多く、非アレルギー性のじんましんもあります。次の項目で紹介する対処法を行ってみたものの、症状が治まらない、悪化しているといった場合は、じんましんの可能性もあるため、小児皮膚科の受診をおすすめします。
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赤ちゃんのよだれかぶれを防ぐには?
肌がデリケートな赤ちゃんは、よだれや食べかすが刺激となってかぶれを起こしてしまうことがあります。そのまま放っておくとかぶれが悪化してしまうこともありますし、治ったと思っていたら再発することもあるので、できれば予防したいものですよね。
ここからは、赤ちゃんのよだれかぶれを防ぐ方法を解説します。
食事の後は口周りをやさしく拭く
食事の後に赤ちゃんの口周りに食べかすや飲み物の汚れなどが付いたままにすると、かぶれを引き起こしやすくなります。食事の後は、濡れタオルやウェットティッシュで口周りをやさしく拭いてあげましょう。
ゴシゴシこすると、それが赤ちゃんのデリケートな肌を刺激してしまうため、力を入れずにやさしく拭くことを心がけてください。軽く押さえるようにして、やさしく拭くのがコツです。
口周りを拭いた後は、そのままにしておくと肌が乾燥して、かゆみなどの症状が出やすくなるため、ワセリンなどの保湿剤を塗って肌を保護してあげましょう。
保湿剤を塗るときも肌に刺激を与えないように、やさしく塗ります。保湿剤はタオルで拭き取ると簡単に取れてしまうため、口周りをタオルで拭き取った後は、その都度保湿することが大事です。
赤ちゃんの肌を清潔に保つ
赤ちゃんの肌はデリケートなので、肌荒れを防ぐためには肌を清潔に保つことが大事です。
入浴時は、石けんやボディソープを使ってていねいに洗ってあげましょう。
大人用の石けんやボディソープは、香料や着色料などの成分を含んでいることもあり、これらの成分が赤ちゃんの肌には刺激となることがあります。赤ちゃんの肌を洗うときは無香料・無着色で低刺激のものや、ベビー用の石けんやボディソープを使うのがおすすめです。
顔と頭を先に洗い、その後に体全体を洗いましょう。上から下に向かって洗うイメージです。
石けんやボディソープはよく泡立てて、手のひらを使って洗います。ゴシゴシこすらず、泡でなでるようにしてやさしく洗ってください。石けんやボディソープで洗った後は、すすぎ残しがないようにていねいに洗い流しましょう。
お風呂で体を洗ったら、清潔なタオルで水分を拭き取ります。このときも、タオルでやさしく押さえて水分を吸収させるようにし、こすらないように注意してください。
水分を拭き取った後は、ローションやクリームなどで保湿ケアを忘れずに行いましょう。夏はさっぱりとした使用感のローションなど、水分が多く油分の少ないものを、赤ちゃんの肌が乾燥する秋冬は油分が多いクリームなどを使い、季節によって使い分けるのもおすすめです。
もちろん、夏場でもエアコンの影響などで赤ちゃんの肌が乾燥しているときは、クリームなど油分が多いものを重ね塗りし、しっかり保湿してあげるとよいでしょう。
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よだれかぶれがひどい場合は皮膚科に
ここまで、赤ちゃんのよだれかぶれの原因と対処法を紹介しました。赤ちゃんの口周りを清潔に保ち、保湿してあげると、よだれかぶれの症状は徐々に治まってくることでしょう。
しかし、この記事で紹介した方法で対処したものの症状が治まらない、症状がひどくなっているといった場合は、小児皮膚科への受診をおすすめします。
対処しても症状が改善していないのに、「もう少し様子を見よう」とそのままにしていると、さらに症状がひどくなるかもしれません。かぶれがひどい場合でも、小児皮膚科で薬を処方してもらえば、症状の改善が見込めます。しかし、指定された期間薬を使用しても症状が改善しないときは、再受診する必要があります。
赤ちゃんの肌の状態をよく見て、早めに受診することを心がけましょう。
小児皮膚科にかかるときは、いつごろから症状が現れたのか、どのような対処法を行っているのかといったことをあらかじめメモしておき、医師に伝えるようにします。また、症状は悪化してきているのか、それともずっと変わらない状態なのかといったことも伝えると良いでしょう。多くの情報を伝えることで、医師も診断しやすくなります。
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まとめ
赤ちゃんのよだれかぶれは、よだれや口周りに付いた食べかすなどによって、引き起こされる皮膚への刺激が原因と考えられます。予防するためには、食事の後に口周りをやさしく拭き取ること、お風呂できちんと洗って清潔を保つことが欠かせません。また、よだれや汚れを拭き取った後や入浴後は、保湿ケアをして肌を保護することも大事です。
赤ちゃんの肌はバリア機能が未熟で、よだれかぶれをはじめ、さまざまな肌トラブルが起きやすい傾向にあります。よだれかぶれを改善するためのケアを行っているのに症状が治まらない、症状がひどいといった場合は、じんましんなどほかに原因があるのかもしれません。
なかなか改善しないかぶれなどの肌トラブルは、小児皮膚科を受診して適切な治療を受けることが大切です。