子供の肌は大人よりもデリケート
赤ちゃんの肌は、つるんとしていてみずみずしく、たまご肌と表現されるほどです。もっちりしている赤ちゃんの肌ですが、赤ちゃんや子供の皮膚はバリア機能が未熟なため、大人よりも外部刺激を受けやすい状態にあります。
肌のうるおいを保つための皮脂膜ですが、生後1ヶ月を境に2~3ヶ月で皮脂の分泌量が低下し、思春期まで低い状態が続きます。皮脂膜には、肌の水分の蒸発を防ぐ働きがあるため、肌の水分量が大人よりも少なく、外部刺激を受けやすい状態です。そのため、ちょっとした刺激でも、痒みや肌トラブルの原因になってしまいます。
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「服がチクチクして痒い!」痒くなる具体的な原因
服がチクチクして痒みがでるのはなぜでしょうか。チクチクする原因はひとつだけではありません。原因を知って対策することが、子供の快適な生活を守ることにつながります。では、具体的な原因についてみていきましょう。
肌への直接的な刺激
服がチクチクして痒いと感じるのは、服の繊維が肌に直接触れることによる刺激が関係しています。特にセーターはウール素材が多く、繊維が太く固いためチクチクしやすいでしょう。触れてみてゴワゴワしているものは、繊維が太く固いものが多いため、繊維が刺激になりチクチクしやすいのです。
また、服に付いているタグが当たることも、痒みの原因になります。気になる場合は、タグをハサミで取り除いてあげると良いでしょう。ただし、タグには洗濯の情報が書かれているので、切り取ったタグは捨てずに保管しましょう。保管が面倒なときは、スマートフォンでタグを撮影し、いつでも見られるようにしておくと良いでしょう。
肌に合わない素材
「肌にやさしい素材ならチクチクしないのでは?」と考え、天然繊維の服を選んでいる方も多いでしょう。痒みの原因になりやすいセーターの場合、素材を大別すると「ウールなどの天然繊維」か「アクリルなどの化学繊維」の2種類が使われています。
化学繊維は痒みの原因になりやすいイメージがあるかもしれません。確かに、化学繊維は汗を吸収しにくい性質があり、汗をかいたり、服がこすれたりすると物理的刺激によってかぶれてしまう場合もあります。しかし、素材が肌に合う合わないは子供によって異なります。肌に合わなければ天然繊維でも痒みの原因になるので注意しましょう。
空気の乾燥
痒みの根本的な原因が服ではなく、空気の乾燥というケースもあります。肌触りの良いセーターを着ていてもチクチクが気になることもあるでしょう。
空気が乾燥することにより、皮膚の外側にある角層の水分量が減少してしまいます。そのため、皮膚のバリア機能が低下し、外部刺激に対して敏感になります。特に冬場は乾燥しやすいため、セーターなどの刺激もより受けやすくなります。また、その日の体調や肌の調子によって、より不快に感じてしまうこともあるかもしれません。
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子供が服を着て痒がるときの対処法
服がチクチクして痒くなる原因は、肌への直接的な刺激や素材の問題、空気の乾燥ということがわかりました。さまざまな原因により、痒みが発生する可能性があります。では、どのように対処したら良いのでしょうか。3つのポイントに分けて解説します。
肌着を着せてあげる
子供がセーターを着て痒がるときは、服の下に肌着を着せてあげることで、繊維やタグなどの物理的な刺激を軽減できます。寒さを防ぐためにセーターを着ても、チクチクが気になってしまうと快適に過ごせません。服のチクチクを軽減するために試してみましょう。
肌着の素材が子供の肌に合わないと、痒みやかぶれの原因になってしまう場合もあります。肌着を選ぶときは、刺激が少なく汗を吸収しやすい、綿やシルクなどの天然繊維がおすすめです。
冬は、屋外と屋内の温度差が大きく、服で調整しなければなりません。屋外でも寒くないように厚着をしているので、そのまま屋内で過ごすと汗をかくこともあるでしょう。セーター自体に保温性もあるため、気付いたら汗をかいていたというケースもあるかもしれません。
汗に含まれる塩分などが肌への刺激となり、服のチクチクが気にならなくても、汗の刺激による痒みやかぶれが起こることが考えられます。また、服の縫い目やタグでチクチクすることもあるでしょう。
対処法として、セーターとの間に肌着を着ることで、服のチクチクした刺激と汗の刺激から肌を守ることができます。セーターのタグが気になるときは、ハサミで切り取ることですぐに対処できるでしょう。ただ、洗濯の情報としてタグを残しておきたい場合は、肌着でカバーすることも可能です。
肌着を選ぶ際は、吸汗性や通気性の良いものを選ぶようにしましょう。肌着を着ることで、刺激になるセーターの繊維が直接肌に触れないため、痒みや服のチクチクを防げます。
服の素材を変えてあげる
子供がセーターを着ていて不快感を示すときは、服の素材を見直してあげましょう。素材の違う服に替えることで、痒みが起きなくなる場合もあります。セーターの場合は、チクチクしない柔らかい素材を選んでください。
例えば、カシミヤ、シルク、コットン、ウールなどです。天然素材だけでも複数あるので、子供に試着させて肌に合うセーターを探しましょう。
肌の乾燥対策をしてあげる
最後の対処法として、肌の乾燥対策をしてあげることも大切です。肌が乾燥していると、普段は問題のない刺激にも敏感になってしまいます。保湿ローションと保湿クリームを使った全身の保湿ケアを、日々のお手入れとして行いましょう。
保湿ローションだけでは肌の乾燥が気になるときは、保湿クリームを重ね塗りして油分を補ってあげましょう。
お風呂上がりは肌が特に乾燥しやすいタイミングなので、しっかり保湿するようにしてください。さらに、服のチクチクが気になるときは、着替える前に保湿してあげると良いでしょう。日中でも、服を着ていて痒みが気になることもあるかもしれません。お出かけセットの中に保湿ローションや保湿クリームを入れておき、肌が乾燥していたら保湿することを心掛けましょう。こまめに対処することが肌の乾燥を防ぐためには大切です。
また、室内の湿度管理にも気を配ってください。特に冬場のエアコンの使用は、空気がより乾燥しやすくなるので、加湿器などで湿度をコントロールすることが大切です。室内が乾燥してしまうと、皮膚の水分が失われてしまうので、室内の湿度を約40~60%に保つと良いでしょう。
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まとめ
子供の肌は大人よりもデリケートです。そのため、服がチクチクして痒いと感じることがあるでしょう。チクチクする原因は、「服の繊維が肌に直接触れて刺激になる」、「肌に合わない素材を使っている」、「空気の乾燥により刺激に敏感になる」などがあげられます。
もし、子供が服を着て痒がるときは「セーターの下に肌着を着せてあげる」、「服の素材をチクチクしない柔らかいものへ変えてあげる」、「保湿や湿度コントロールにより肌の乾燥対策をしてあげる」などを試してみてくださいね。