子供が乾燥肌になる原因とは?
子供の乾燥肌の原因には、遺伝が関係していることもありますが、一時的に乾燥肌になっているケースも多く見られます。なぜなら、小さな子供は大人に比べると皮脂腺の発達や皮膚の水分保持機能が未熟なため、乾燥肌になりやすいからです。
このように、もともと子供の肌は乾燥しやすいのですが、そのほかにも日常の生活習慣で乾燥肌を招く原因が2つあります。
原因①お風呂の習慣
お風呂で何気なく行っている習慣が、乾燥肌を引き起こすことがあります。
1つ目は、熱いお風呂に入ることです。41℃以上の熱い湯舟に入っていると、本来皮膚に必要な皮脂まで落としてしまいます。皮脂が足りないとバリア機能が低下し、水分を皮膚に留めておくことができなくなって肌の乾燥が進みます。湯舟の温度は40℃以下にしましょう。また、長すぎるお風呂も肌の乾燥を招いてしまうので、注意が必要です。
2つ目は、体をゴシゴシとこすってしまうことです。こすると汚れが落ちるようで気持ちよく感じるかもしれませんが、こすり過ぎは皮膚にダメージを与え、バリア機能が低下することで肌の乾燥が進みます。体はたっぷりの泡でやさしく洗えば、汚れだけをきちんと落とすことができます。
また、ナイロンのボディタオルは肌に刺激になることがあるため、乾燥が気になる場合にはおすすめできません。泡を手のひらでやさしくのばすように洗い、ボディソープや石けんも皮脂を落としすぎないよう低刺激のものを選んでください。お風呂上がりにタオルで拭くときも、ゴシゴシせず、タオルで肌を押さえるように水分を吸わせ、肌に余分な刺激を与えないようにしましょう。
原因②偏った生活習慣
乾燥肌の対策には規則正しい生活も重要です。偏った生活習慣を続けていることが、乾燥肌を悪化させることがあります。
なかでも注意したいのが、睡眠不足です。子供も大人と同じように睡眠不足になると肌への影響が出てきます。
睡眠中には、細胞の修復や再生を行う成長ホルモンが分泌されます。この分泌が最も多くなるのが、睡眠直後の深い眠りです。そのため、睡眠は十分な時間と質を確保するよう、注意してあげましょう。寝る前のゲームなどは睡眠が浅くなるなど、睡眠の質を低下させてしまいますので止めさせてください。
また、偏った食生活も乾燥肌を招きます。ビタミンなどが不足すると皮膚の代謝が落ちてしまう可能性があるからです。特に皮膚の代謝に関係するのが、ビタミンA、ビタミンB2・B6 、ビタミンEです。これらが多く含まれる緑黄色野菜などを積極的に摂るなどして、バランスの良い食生活を目指しましょう。
目次へ
子供の乾燥肌を防ぐには徹底した保湿が必要
乾燥肌を防ぐには保湿が重要ですが、水分を保持する機能が未熟な子供に対しては、より徹底した保湿が必要です。そこで、日常生活で子供の乾燥肌を防ぐためにできることを紹介します。
室内の湿度を40%以上に保つ
乾燥肌を防ぐにあたり、日常生活において大切なのは室内の湿度管理です。部屋の空気が乾燥していると、皮膚の水分が奪われてしまいます。皮膚にとって最適な湿度は、約40%~60%といわれています。それ以下になっているようなら、加湿器などを利用して部屋の加湿を行いましょう。
エアコンは強く設定するとそれだけ空気が乾燥し、肌が乾燥しやすくなります。特に、空気が乾燥しやすい冬場に、暖房やヒーターを使って部屋の温度を上げると、もともと乾燥している空気がさらに乾燥し、肌の乾燥がいっそう進みますので注意しましょう。
また、湿度は一日の生活シーンによっても大きく変化しています。部屋の空気が乾燥している場合には、洗濯物を部屋干しすることでも湿度を上げることができますが、一時的な上昇だけであり、また、湿度が上がり過ぎると、今度は結露の原因となってしまいます。一日を通じて適切な湿度を保てるよう、加湿器を利用してのコントロールがおすすめです。
しっかりと保湿ケアをする
入浴後の肌は、特に乾燥しやすくなります。お風呂上がりには、しっかりと保湿ケアを行いましょう。保湿ケア用品にはさまざまな種類がありますが、皮膚がデリケートな子供の場合は、子供向けに作られたものや、低刺激なケア用品がおすすめです。
ローションやクリームタイプなどがあるので、乾燥の程度や塗る範囲の広さに応じて選択してください。「広範囲に塗る場合にはローション」が、「乾燥がひどい場所にはクリーム」が良いでしょう。じっとしているのが難しい小さな子供の場合には、「すぐに塗り広げられるローション」の方が使いやすいかもしれません。乾燥がひどい場合には、ローションのあと、乾燥の気になる部分にクリームを重ね塗りしてあげると良いでしょう。
保湿ケアは、お風呂から上がってすぐの、肌がしっとりしている間に早めに行いましょう。
また、お風呂上がり以外にも、カサつきが気になるときには、その都度保湿ケアを行いましょう。乾燥肌の場合、冬には1日数回保湿ケアが必要になることもあります。
保湿ケアで肌がしっかりうるおっていると、皮膚のバリア機能が強くなり、ほかの外部刺激による皮膚トラブルも起こりにくくなります。きちんと保湿ケアを行いましょう。
目次へ
かゆくなったときの対処方法
部屋の加湿や保湿ケアを行っていても、肌が乾燥してかゆみが出てしまうこともあるでしょう。そこで、子供がかゆがっているときにできる、対処方法を紹介します。
かきむしりに注意する
子供は、かゆみを感じると、かいてはいけないと言い聞かせていても、我慢しきれずにかいてしまうことがあります。かいてしまうと、その刺激で新たなかゆみが発生し、さらに悪化してしまいます。かゆそうにしている場合には、すぐにかゆみ止めの薬を塗ってあげましょう。市販のかゆみ止めの薬は、ドラッグストアなどでたくさんの種類が販売されています。乾燥肌向けに、かゆみ止めと保湿剤の両方が配合された医薬品もありますので、上手に活用しましょう。どれを選んだらよいかわからないときは、店頭で薬剤師や登録販売者に相談してみてください。
また、子供の爪がのびていると、かいてしまったときに皮膚を余計に傷つけてしまいます。爪は、常に短くしておきましょう。
ひどい場合は医師の診断を受ける
かゆみの原因は、乾燥肌だけではありません。かぶれや湿疹、アトピー性皮膚炎など、別の原因でかゆみが生じている可能性もあります。炎症が起きていると、保湿ケアだけではかゆみは治まりません。
保湿剤やかゆみ止めを使用しても、かゆみがなかなか改善されない、かきこわしてしまうほどの強いかゆみがあるといった場合には、そのままにせず早めに皮膚科を受診しましょう。かゆみの原因を調べ、適切な治療が受けられるのはもちろん、必要な保湿ケアについてもアドバイスがもらえるでしょう。
目次へ
まとめ
子供の肌は乾燥しやすいため、保湿ケアが欠かせません。保湿ケア用品を利用して、肌が乾燥しないようきちんとケアしてあげてください。乾燥肌を進めてしまう生活習慣もありますので、注意しましょう。それでも、乾燥でかゆみが出てしまった場合には、市販のかゆみ止めの薬を利用して早めに対処し、かゆみを悪化させないようにしましょう。