お風呂で肌が乾燥する理由
まず知っておきたいのが、お風呂で肌が乾燥してしまう理由です。これは、大きく二つの理由が考えられます。
・長湯
・ナイロンなどの硬い素材でゴシゴシ洗っている
では、それぞれの理由について詳しく解説していきましょう。
その1.長湯
お風呂での長湯が習慣になっていませんか。もしもそうなら、それが原因でお風呂上がりの肌が乾燥してしまっているのかもしれません。
長湯が肌の乾燥を引き起こす理由は、熱いお湯に長時間浸かると、皮脂や角層内の保湿成分が流れ出てしまうからです。その結果、お風呂上がりの肌がつっぱったり、カサカサしたりすることがあります。
あなたがお風呂好きで、手足がふやけるくらい長く浸かっている、お風呂の温度を高めに設定しているなら要注意です。この習慣が原因で、肌の乾燥を引き起こしている可能性があります。
その2.ナイロンなどの硬い素材でゴシゴシ洗っている
ナイロンなどの硬い素材のボディタオルで肌をゴシゴシと洗っていると、その摩擦が原因でお風呂上がりの肌が乾燥してしまうことがあります。
ゴシゴシ洗いが肌の乾燥を引き起こす理由は、体をこする摩擦によってバリア機能を壊してしまうからです。角層にはバリア機能が備わっていて、肌を外部の刺激や乾燥から守る働きをしています。これが壊れると、肌はうるおいを保てなくなり、乾燥してしまうのです。
お風呂で長湯はしていない、お湯の温度もぬるめ、それなのに肌が乾燥するということがあれば、体の洗い方に問題がないか確認してみましょう。ゴシゴシ洗いによる摩擦が原因で、肌が乾燥しているのかもしれません。
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正しい入浴方法とは?
お風呂上がりに肌が乾燥するという方は、正しい入浴方法をマスターして肌の乾燥を予防しましょう。肌の乾燥を防ぐためには、お湯を適切な温度に設定して長湯しないこと、肌はやさしく洗うこと、保湿成分の入った入浴剤を使用することが大切です。
お湯の温度はぬるめに設定する
お風呂上がりに肌の乾燥を感じやすい方は、お湯をぬるめに設定しましょう。肌の乾燥予防には、お湯の温度を40℃以下にするのがベストです。
ただし、お湯をぬるめにすると寒く感じてしまい、なかなか湯船から出られないという場合もあるでしょう。
その場合は、お湯の温度を上げるのではなく、浴室暖房などを使用して浴室を暖めることをおすすめします。そうすることで、お風呂から出たときの寒さを軽減できるでしょう。
お湯をぬるめに設定して長湯を止めれば、肌に必要なうるおいの流出を極力避けられます。
乾燥肌向けの洗浄剤を使用する
肌に必要なうるおいを洗い流さないようにするためには、成分やテクスチャーなどを考慮して洗浄剤を選ぶようにしましょう。
洗浄剤には、固形石けんタイプや液体タイプ、泡で出てくるタイプなど、様々な種類があります。
次のような特徴をそなえた洗浄剤が、乾燥肌の方におすすめです。
洗浄力が強過ぎない
乾燥肌の方は、洗浄力が強過ぎない洗浄剤を使うのが良いでしょう。体の汚れを落とすことは重要ですが、洗浄力が強過ぎると、肌のうるおいに必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
肌が乾燥ぎみな方は、購入時に乾燥肌や敏感肌の方向けの製品かどうか、パッケージに記載されている製品特徴をあらかじめチェックしておくことが大切です。
低刺激で肌にやさしい
乾燥肌や敏感肌の方は、できるだけ刺激が少なく、肌にやさしい洗浄剤を使うことが大切です。
乾燥してバリア機能が低下している肌は、敏感になっています。ちょっとしたことでも反応してしまうため、無香料、無着色、低刺激の洗浄剤がおすすめです。
特に肌を刺激しやすい、香料、界面活性剤、防腐剤といった成分に注意しましょう。
保湿成分が配合されている
洗浄剤に保湿成分が含まれているかもチェックしてください。
洗浄力が強過ぎないやさしい洗浄剤を使っても、お風呂で体を洗うと、肌を守る皮脂が洗い流されてしまいます。湯上がりの肌は特に乾燥しやすいため、保湿成分が含まれている洗浄剤を使って、できるだけ肌のうるおいをキープしましょう。
湯上がりの肌の乾燥を防ぐためにおすすめなのは、グリセリンやヒアルロン酸といった保湿成分を含む洗浄剤です。そのほか、セラミドや天然オイルを配合しているものもあります。
泡立ちが良い
乾燥肌や敏感肌の方は、洗浄剤をよく泡立てて体を洗うことが大切です。
泡がクッション代わりとなり、手やタオルによる摩擦をやわらげる働きをします。泡立ちが良くないと、体をこする摩擦で角層がダメージを受け、皮膚のバリア機能が低下しかねません。しっかり泡立てて、泡で体を洗うようにしましょう。
理想的なのは、弾力のあるキメ細かい泡、モコモコとしたホイップクリームのような濃密な泡で洗うことです。泡の表面積が大きいと汚れをよく吸着するため、少ない量でもしっかり泡立つものを選んでください。
こすり洗いは避けて、よく泡立ててやさしく洗う
肌の乾燥を予防するためには、こすり洗いはやめましょう。
肌についた汚れや皮脂を洗い流したい気持ちから、ゴシゴシとしっかり洗いたくなるかもしれませんが、皮膚のバリア機能を守るためにはNG行為と心得てください。
肌にはある程度の皮脂が必要です。そのため、すべて洗い流す必要はありません。また、ゴシゴシとこすらなくても、汚れはきちんと落ちます。
体を洗うときは、ボディソープや石けんをよく泡立てて、手で泡を伸ばすようにしてやさしく洗いましょう。よく泡立てれば、ボディタオルを使う必要はありません。「汚れを落とせるのか不安だ…」と感じる方もいるかもしれませんが、手のひらで洗うだけでも、汚れはきちんと落とせるので、安心してください。
もしも、ボディタオルやスポンジを使いたい場合は、ナイロン製ではなく綿やシルクなど天然素材の柔らかいものを選ぶことをおすすめします。できるだけ皮膚のバリア機能を壊さないように、こすらずやさしく洗いましょう。
また、泡で洗う時間はできるだけ短くして、肌に必要なうるおいを奪わないように気を付けることも大切です。さらに洗った後は、やさしくかけ湯をして流しましょう。シャワーの場合は肌に刺激を与えないように、できるだけ弱めの水圧で流してください。
保湿成分の入った入浴剤を使用する
保湿成分が入った入浴剤を使うことも、お風呂上がりの乾燥対策におすすめです。入浴剤に含まれている保湿成分が、お風呂上がりの肌の乾燥を防ぐのに役立つでしょう。
入浴剤には、リラックスすることを目的としたものや体を温める目的のもの、洗浄効果を高めるものなど、さまざまな種類があります。パッケージや商品情報が掲載されているWebサイトなどをチェックして、保湿目的の入浴剤を選んで使ってください。
肌にやさしいものを探している方は、子供から大人まで使用できるタイプを選ぶことをおすすめします。
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入浴後のスキンケアも大切!
お風呂上がりのスキンケアのやり方次第で、肌の乾燥を進めることもあれば、防ぐこともできます。
肌の乾燥でお悩みの方のために、入浴後のスキンケアのポイントを紹介します。正しい方法で実践して、うるおい肌を目指しましょう。
タオルでゴシゴシ拭かない
お風呂上がりは、柔らかいタオルで肌を押さえるようにして、水分をやさしく拭き取りましょう。つまり、体に付いた水滴を取るときに、バスタオルでゴシゴシと拭いてはいけません。
せっかく肌をこすらないようにとやさしく洗ったのに、ゴシゴシと拭いては意味がありません。拭くときも“やさしく”を心がけてください。タオルで軽く押さえるだけでも水分は拭き取れるので、こする必要はありません。
お風呂から上がったら素早く保湿をする
肌の乾燥に悩まされている方は、お風呂から上がったら、すぐ全身を保湿しましょう。保湿ケアは、素早く行うのがコツです。肌の乾燥を防ぐためには、体の水分をタオルで拭き取った後、肌が乾ききらないうちに、ローションやボディクリームなどで保湿ケアをすることが大切です。
なぜなら、お風呂上がりの肌は、水分がとても蒸発しやすい状態だからです。そのままの状態で放置していると、肌の水分がどんどんと失われて肌がつっぱったりカサカサしたりと、乾燥してしまいます。
入浴後に保湿ケアをしているのに、肌がつっぱる、乾燥するという方は、保湿ケアのタイミングが遅いのかもしれません。
また、ローションやボディクリームは、自身の肌に合ったものを選んでください。ローションは水分が多いので使い心地がサラッとしていて軽く、ボディクリームは油分が多くて使い心地がしっとりするので、乾燥の度合いに合わせて使いわけると良いでしょう。
例えば、「ローションを塗っているけれど肌の乾燥が治まらない」という場合は、ボディクリームに替えてみましょう。また、体全体にローションを塗って、特に乾燥が気になる部分にボディクリームを重ね塗りするという方法もあります。夏はローション、肌が乾燥しやすい季節はボディクリームというように、季節で使い分けるのもおすすめです。
もちろん、入浴後に保湿ケアをする際も、肌をこすらないように注意してください。肌を刺激しないように、ローションやボディクリームはやさしく塗りましょう。
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まとめ
お風呂上がりの肌が乾燥する場合は、お湯が熱過ぎないか、長湯をしていないか、ゴシゴシ洗いをしていないかチェックしましょう。思い当たる点があれば、そのような習慣はやめることをおすすめします。
また、保湿成分の入った入浴剤を使ったり、入浴後に素早く保湿ケアを行ったりすることも、肌の乾燥対策には効果的です。入浴後は、肌の水分がどんどんと失われていきます。肌が乾いてしまわないうちに、素早くローションやボディクリームで保湿をしてください。
正しい入浴方法をマスターし、入浴後に保湿ケアをきちんと行うことで、お風呂上がりの肌の乾燥を防ぐことができます。また、皮膚のバリア機能にダメージを与えないために、体を洗うとき、体を拭くとき、スキンケアをするときに、肌をこすらず“やさしく”することを忘れないようにしましょう。